季節はずれのひまわりを

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「まわりを明るく照らす、ひまわりみたいな子に育つんよ」
小さい頃からずっと大切にしてきた、
おばあちゃんの口ぐせをおしえてくれた花嫁さま。
結婚式は、ひまわりの季節を過ぎる10月の予定でした。

大好きなひまわりに囲まれた、秋の結婚式
おばあちゃん子だったという
彼女の願いをどうすれば叶えられるか
私たちは、全員で話し合いました。

たどりついた答えは
「自分たちでひまわりを育てよう」でした。
いそいで敷地に種をまき、毎日スタッフが交代で水をあげました。
そして迎えた、結婚式当日。
会場いっぱいに咲いたのは、季節はずれの、たくさんのひまわり。
そして、花嫁さまとゲストのあふれるよう笑顔でした。

これが、私たちマリーゴールドグループにとって初めての結婚式。
その当時から、いつも心がけていることは変わりません。

雨上がりの空の下で

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「熊本らしい場所で結婚式をしたいんです」
震災からの復興に向けて歩む故郷を想う新郎新婦。
ご希望の挙式場所は、
おふたりにとってなじみが深い江津湖でした。

新郎さまには、12年前にお母さまを天国へと見送ってから、
2人の妹たちが淋しくないように
ずっと気にかけてきたという、
優しいお兄さんとしての一面もありました。

雨にぬれない管理棟や、景色の美しい湖のほとり・・・。
いちばん結婚式にふさわしいロケーション探しをする中で
おふたりや妹さまからたくさんの想い出話をうかがい、
スタッフが提案したこと。

それは、屋根もない、テントも張らない、空の下でのセレモニー。
「お母さまにも見守っていただけるように、
結婚式は空の下で行いませんか?」

音響やカメラマン、大勢のスタッフが毎日のように湖畔を訪れて
前例のない場所での結婚式を叶えるため、
準備を積み重ねていきました。
そして迎えた、結婚式当日の朝、窓の外は、
なんと、どしゃぶりの雨・・・。

お支度をすすめながら、おふたりや妹さまのお話を思い出しながら
スタッフたちの迷いはだんだん消えていきました。
リスクはある。だけど、やっぱり、空の下での結婚式を叶えたい。
時間になったら、江津湖に行ってみよう。

2時間後、結婚式がはじまる頃に皆が目にしたのは、
優しくこぼれる太陽の光。
そして、おふたりを見守る、青い空でした。

忘れられないあの味を

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新婦さまが私たちに教えてくれた、結婚式で叶えたい願い
それは「なによりも、彼に喜んでほしい」ということでした。

結婚式1カ月前の打ち合わせで、
新郎さまの表情がふと変わったのが
半年前に天国へ旅立たれた、おばあちゃんのお話になった時。
子どもの頃、たくさんかわいがってくれたこと。
そして、よく作ってくれた山菜おこわがとても美味しかったこと。
だから私たちは、あるサプライズを新婦さまに提案しました。

「新郎さまが大好きだった山菜おこわを、再現してみませんか?」

新郎様のお母さまに、こっそり具材を教えていただき
思い出の味を再現すべく、試作を重ねた料理長。
サプライズの司会進行や、メニュー表づくり・・・。
結婚式で、大好きなおばあちゃんの存在を感じてもらいたい。
その想いで、皆で丁寧に準備を進めていきました。

そして迎えた結婚。
披露宴の終盤に、司会者からのメニュー紹介のひと言が
「こちらは、『新郎さまのおばあちゃんの山菜おこわ』です」
驚いた新郎さまはメニュー表をバッと手にとり
そこにある「おばあちゃん」の文字をじっと見つめていました。

あたたかい山菜おこわを食べながら、
懐かしそうに涙ぐむ新郎さま。
その隣には、やさしく微笑む新婦さまの姿がありました。

何度も書き直した、
ひとつの手紙

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新郎さまにとって、二度目の結婚式でした。
準備の中で、新郎さまのご家族と
お話をしながら見えてきたこと。
それは、あたらしい生活へ進もうとする新郎さまを
なかなか素直に応援できずにいる、お父さまのさみしい気持ち。
そして、新郎さまとお父さまの間に
なんとなく生まれてしまった距離でした。

新郎新婦にとっても、ご家族にとっても、
本当に意味のある結婚式にしたい。
当日を迎える前に、すこしでも距離を縮められないだろうか?
そう案じた私たちは、新郎新婦のおふたりに
「式準備のご報告もかねて、一度ご実家に行かれてみては?」
とお伝えしました。

後日、打ち合わせに訪れた新郎さまのお顔は、どこか晴れやか。
お父さまとの距離がすこしだけ近づいたことを感じた私たちは
さらに、結婚式を”いいきっかけ”にしてもらいたくて、
提案しました。

「まだ話せていない気持ちも手紙にして、
“人前式”でご家族に伝えませんか?」

心の中と向きあって、恥ずかしさや遠慮もぬぐいすてて、
うわべだけの言葉ではなくなるまで、
何度も何度もプランナーと一緒に書き直して
生まれ育った実家を、そしてあたらしい家庭を、もっともっと、
しっかりと守っていきたい。
それが、彼の伝えたかったことでした。

考えぬいた手紙の言葉を、
ご自身の家族に向けて読みあげた人前式。
それは、お父さまとふたたび笑いあえる未来への、
第一歩目になりました。

歩み始める、その未来へ

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1997年に結婚式創りをはじめた、マリーゴールドグループ。
私たちは、いつも変わらず心がけていることがあります。

それは「結婚式の当日」だけにとどまらない、
新郎新婦さまの長い長い「これからの人生」を考えること。
なぜなら、結婚式をきっかけに、これから歩む人生が、
もっともっと素晴らしいものになってほしいから。
おふたりを支えてくれる、まわりの人たちとの関係だって、
今まで以上に深まってほしいから。

だから私たちは
「おふたりにとって、本当に大切なものは何か?」を
一組一組のカップルと向き合って、とことん考えます。

たとえば、忘れられない昔の思い出、心に残る誰かの言葉。
お家族やお友だち、大切な誰かへ伝えられずに
心にしまっていた気持ち。
それらをじっくり紐解いて創りあげる、おふたりらしい結婚式。

一緒に考えていく時間の中で、おふたり自身が
「本当に大切なもの」と向き合えたなら。
結婚式を通して、それをまわりの人たちにも伝えられたなら。
おふたりが歩む未来には
きっと、今以上の「しあわせ」があると思うから。

私たちマリーゴールドグループが、本当に創りたいもの
それは「結婚式の、その先のしあわせ」なんです。