準備ガイド

2025.01.15

結婚式の招待状は、二人の門出を祝う大切な第一歩。
ゲストへの感謝の気持ちを込めて、丁寧に心を込めて作成したいですよね。
招待状の基本構成や時候の挨拶、差出日や結婚式日時の書き方、出欠ハガキの返信期日の決め方、投函方法など、招待状を作成するためには正しく理解しておきたいいくつかのマナーやルールがあります。
この記事では、新郎新婦の方に向けて、招待状の書き方やマナーについて、詳しく解説します。

1.招待状の基本的な構成

まず始めに、招待状の基本的な構成をご紹介します。

◾️頭語
拝啓、謹啓など。
頭語・結語は必ずセットで使います。
たとえば頭語が『謹啓』なら結語は『謹白』を。反対に謹啓と敬具はマナー違反になってしますので注意しましょう。
少しラフな雰囲気の式、フォーマルな雰囲気の式、ご年配の方や上司を招待する式、同年代の友人・知人を招待する式などいろいろな場合があるかと思いますので、おふたりの結婚式の雰囲気にあった言葉選びができるとゲストの方にも喜んでもらえます。

◾️時候の挨拶
季語を用いて季節の状況を述べる言葉。
「〜の候」といった、頭語に続くその季節を表す日本ならではのあいさつです。
季節に応じて様々なものがあります。
結婚式当日の季節ではなく、ゲストが招待状を受け取る時期に合わせた言葉を選びましょう。四季豊かな日本ならではの美しい響きと様々な言い回しがありますので、おふたりでよく考えて決めるてみましょう。

基本的には、「○○の候」のような昔から手紙に添えられる漢語調の表現を用います。

≪例≫

・1月 初春の候・厳冬の候
・2月 余寒の候・立春の候・晩冬の候
・3月 早春の候・春暖の候・雪どけの候
・4月 陽春の候・桜花の候
・5月 新緑の候・薫風の候・晩春の候
・6月 初夏の候・長雨の候・向夏の候
・7月 盛夏の候・大暑の候
・8月 残暑の候・晩夏の候・立秋の候
・9月 新秋の候・秋涼の候・初秋の候
・10月 仲秋の候・秋冷の候・紅葉の候・名月の候
・11月 深秋の候・紅葉の候・向寒の候
・12月 初冬の候・霜夜の候

にぎやかな雰囲気やアットホームな雰囲気の結婚式にしたい場合、招待客との距離の近い結婚式、若いゲストが多い結婚式であれば、少し柔らかい印象の挨拶文を入れて優しい雰囲気にすることもできます。自然や気候など、実際の季節をイメージしやすい表現なのでおすすめです。言葉選びにもセンスが表れますので、おふたりらしさが出ているとゲストにも喜んでいただけるでしょう。

 

≪例≫

・1月 冬晴れの空が美しい季節になりました
・2月 春の訪れを待ちわびる頃となりました・梅の蕾が春を知らせる季節になりました
・3月 桜のつぼみが膨らみはじめる季節になりました
・4月 花の盛りも過ぎ 草木の緑がいよいよ濃くなる季節になりました・おぼろ月夜の美しい頃となりました
・5月 風薫る心地の良い季節となりました
・6月 あじさいの花が色づく季節となりました
・7月 海山の恋しい季節になりました・朝顔に涼を感じる季節になりました
・8月 ひまわりが今を盛りと咲き誇る季節になりました
・9月 鈴虫の音が美しいこの頃 おかわりなくお過ごしでしょうか
・10月 金木犀がほのかに香る季節になりました
・11月 朝夕の寒気が身にしみる季節になりました おかわりなくお過ごしでしょうか
・12月 夜空に瞬く星がいっそう美しい季節となりました

 

◾️招待の言葉
結婚式の招待の旨を述べる言葉。

◾️日時・場所
結婚式の日時と場所を具体的に記載。
とても重要の情報ですので、ウェディングプランナーさんと時間の確認をした上で作成にあたりましょう。AM PMという表記は分かりやすいですが、結婚式の招待状のようなフォーマルな書式にはふさわしくありませんので、使用は避けましょう。日時や時間は最も重要な箇所です。
不備によっては印刷し直しになることがありますので、間違いないかどうか何度も確認しましょう。

◾️会食会場
会食がある場合は、会場を記載。

◾️ドレスコード
服装に関する指示がある場合は明記。

◾️返信期限
出席の有無を連絡する期限を記載。
例:まことにお手数ながら同封の葉書にて、○月○日までにご一報くださいますようお願い申し上げます
謙虚な姿勢で、お返事を催促する一文を入れます。

式場の規約によっても多少前後しますが、出欠の返信が遅れるゲストも数名出ることを予想して、余裕を持って設定しましょう。返信期日を決める際には、式場側と相談をしておくと安心です。

◾️結語
敬具、拝具など。

◾️差出人
新郎新婦の名前を連名で記載。
新郎新婦の名前を連名で書くのが一般的ですが、新郎新婦の父母の名前を書く場合もあり、よりフォーマルな印象になります。

◾️日付
招待状を作成した日付を記載。 例:令和○年○月○日吉日

2.招待状の書き方で気をつけること

招待状を書く際に気をつけるポイントをご紹介します。

句読点はつけない

句読点は、「終わり」や「切れる」という意味合いがあり、お祝いの席では用いないことがルールです。句読点「、」「。」の代わりに空白を用いましょう。
段落にも同様の理由で文頭も空けないルールがあります。
頭揃えもしくはセンター揃えで調整しましょう。

忌み言葉はNG

『忌み言葉(いみことば)』は結婚に相応しくありません。
日常生活では使う言葉も結婚式関連では使うことがタブーとされる言葉です。

あまり馴染みがない方もいらっしゃると思いますので、
招待状で使いやすい言葉の例をいくつか紹介します。

◾️ご多忙の『忙』

 ビジネスメールでは「ご多忙の中…」と使いがちですよね。
忙は『心』を『亡くす』という意味から成り立っていることからNGワードになります。
置き換える言葉:「多用中のところ、おいそがしいところ」

◾️ご返信の『返』

本文より返信ハガキに使いがち。
ご返信は…の『返』も忌み言葉です。
置き換える言葉:「ご連絡、ご一報」


本文より返信ハガキに使いがち。
ご返信は…の『返』も忌み言葉です。
置き換える言葉:「ご連絡、ご一報」

上記の2つは特に注意しましょう。

縁起が悪いとされている言葉のポイントも合わせてご紹介します。

夫婦の別離を連想させる言葉…去る・帰る・別れる・切れる・終わる・離れる・おしまい・閉じる
■再婚を連想させる言葉…再び・再度・ふたたび・重ねる・繰り返す・二度
■不幸・不吉・死を連想させる言葉…死ぬ・病む・退く・流れる・倒れる・落ちる・消える・忙しい
■同じことを繰り返す重ね言葉重ね重ね・かえすがえす・たびたび・またまた・くれぐれも・いろいろ

作成後に新郎新婦様同士や担当のプランナーにチェックしてもらいましょう。
表現を変えたり、ひらがなにするなど文章を工夫すれば、忌み言葉を使わずに同じ内容を伝えられます。招待状を作成する際には、何度も確認をし、失礼がないようにしましょう。

招待状に同封するもの

1.返信用はがき

ゲストから出欠席の連絡をいただくために、返信用のはがきを同封しましょう。
受取人の名前を書き、必ず慶事用の切手を貼ることを忘れないようにしましょう。

2.会場へのご案内図

最寄り駅から会場までの道順がわかるように地図を同封すると親切です。
マイクロバスなどでのお迎えがある場合も、記載します。
ローマ字の会場名なども、全ての人にわかりやすいようカタカナ表記にすることが必要です。

3.当日の受付係やスピーチをお願いする方へは付箋を

当日スピーチや受付をお願いしている方へは、付箋を同封します。
ここでの付箋は、小さなメッセージカードなどのことです。

他にも、二次会へのご案内やドレスコードなどは招待状に付箋をつける形で同封しましょう。

宛名書きは毛筆か筆ペンで

結婚式の招待状を送る場合、宛名は毛筆か筆ペンで書くのがマナーとされています。
これはなぜかというと、「祝い事は『濃く太く』」という縁起担ぎの意味があるからです。

逆に、書きやすいですが文字が「細く」なってしまうボールペン等で書くのはNGとされています。
墨の色が薄いのも、縁起が悪いので注意してください。
自筆に自信のない場合は、筆耕を依頼するかパソコンで宛名の印刷をするのもおすすめです。
招待状1通ごとの作成費用は少し高くなりますが、専門の業者に毛筆での宛名書きや印刷を依頼することもできます。
現在では、封筒の宛名を印刷にしてもマナー違反にはなりません。思いを込めて1通1通毛筆で書くのが望ましいとされていますが、依頼することで時間の短縮にもなりますので、パートナーやご両親とよく相談して決めましょう。

招待状についてのよくある疑問

何部用意する?

基本的に一家族・夫婦に1部用意します。同じ住所の方には基本的に1部ずつということになります。

両親や家族にも渡すの?

ご両親やご兄弟(既婚者は除く)は、主催者側でありゲスト様をお招きする立場となるので必ずしも用意する必要はありません。
ただ、結婚式の記念に残しておきたいという親御さんもいらっしゃいますので、招待状を出す際にご両親に聞いておきましょう。
業者や印刷サービスに依頼している場合、再作成・再印刷の受付は10枚からといった規定をしているところもありますので、あらかじめ多めに注文しておき、残ったものは手元に取っておくのがよいでしょう。

念のために親戚などから当日の詳細を尋ねられた場合のことを考えて1部渡すのもオススメです。

投函方法は?

ポストへ投函しても間違いではありませんが、他の郵便物と重なって汚れてしまったり、雨の日などは水に濡れてお名前がにじんだりする可能性もあるので、招待状は窓口に持って行くことをおすすめします。
また、郵便物の重さによって切手の値段も変わるので、まとめて窓口へ持っていくことで料金不足のような不備もなくなります。大切な日の招待状ですので、ゲストの皆様の手元にきれいな状態で届くよう、気遣いができると一層よいでしょう。

招待状は郵送?手渡し?

招待状は全員郵送にする必要はなく、手渡しすることも可能です。
手渡しするか郵送するかによって、マナーも異なってきます。
遠方の方やなかなか会う機会がない方へは郵送、職場の方やご近所さんへは手渡しというのが一般的な招待状の送付方法です。
手渡しする場合、封筒の宛名面は名前のみで住所は不要となります。
住所が入っていると「お会いできたついでに…」という意味合いになり、結婚式にせっかく招待するゲストさまに対して礼を欠くことになってしまいますので、切手は、確実に招待状を郵便でお送りする方のみに先に貼り、会う予定がある方には直前まで貼らないでおきましょう。

挨拶をお願いする上司には、可能な限り手渡しをしましょう。

まとめ

今回のコラムでは招待状の構成やゲストへ送る際のマナーについてみてきました。

四季を感じる時候や、言葉の使い方に気をつけて、素敵な招待状の準備をしましょう。
結婚式当日を安心して迎えるためにしっかりマナーを守って、ゲストをご招待しましょう!
お二人の想いがこもった素敵な招待状を安心して送れるようマリーゴールドホールディングスの各式場では、ウェディングプランナーがおふたりのことをしっかりとサポートします!